離島は周囲を海に囲まれているため、社会経済ともに本土とは異なる状況に置かれる場合が多い。交通や物流でハンデを抱え、道路整備等の公共事業も本土と比較すると進みません。地理的要因が生活コストを押し上げる上、人口減少と少子高齢化も本土以上に急速に進み、生活環境の本土との格差は広がる一方です。
離島から本土への通勤通学は一部を除いては困難なことから、経済活動も基本的には島内で完結するものとなります。
特徴的な離島の資源
潤う離島には2つの特徴があります。
強力な観光資源
一つは唯一無二の観光資源を有していることです。
例えば鹿児島県の屋久島。樹齢2000年を超えるの縄文杉をはじめとした屋久杉の数々、九州1高い山である宮之浦岳、幻想的な世界の広がる白谷雲水峡を中心としたトレッキングを中心に、本土にはない唯一無二の環境を求めて日本中から人が集まります。
沖縄もビーチリゾートとして海水浴やダイビングが人気な他、石垣島や宮古島等、本土とは異なる建築物や環境が人気です。
その地でなければ味わえない魅力のあるものがあれば地理的なハンデのある離島にも人は集まります。
食文化の発展や名産物
もう一つは食や名産等の資源があることです。
長崎県の壱岐では立地を活かした「100%熟成生はちみつ」を全国に販売しています。また、沖縄も独自の食文化を構築しており、それらを目的とした来島者もいる他、泡盛やアグー豚等独自の食材・飲み物を県外へ販売しています。
離島の気候や環境を活かした食品を全国へ販売することは島の経済活性化につながります。
しかし、どの離島にも観光資源があるわけでも、独自の名産品があるわけではありません。
滞在交流型観光を通じた離島創生プラン
平成29年に今後の取組の指針となり島の活性化につながる「滞在交流型観光を通じた離島創生プラン」が国土交通省より発表されました。島の資源をフル活用した「島たび・島めぐり」を展開し、島内に広く経済波及効果をもたらすための観光地域づくりを推進する仕組みです。
「島たび・島めぐり」展開による「島業」の確立と、「島たび・島めぐりコンシェルジュ」による一元的対応を目指す取り組みで、離島の活性化を目指します。
「島業」とは農林水産資源をはじめ、自然や歴史、文化、産業、生活様式等の島独自の多用な資源を活用して展開する仕組みです。離島の中には歴史的・文化的資産を有するものの、全国的な知名度がないものもあります。そこには島民自体が歴史的・文化的価値に気づいていない場合もありますし、プロモーションがうまくいっていない場合もあります。知名度の高い離島はどこもプロモーションは上手です。
しかしこの「滞在交流型観光を通じた離島創生プラン」ですが、イマイチ効果があったのかわかりません。
ワーケーション
観光資源や名産品のない離島にも人を呼び込むチャンスが生まれました。コロナ禍の中リモートワーク化が進んでいます。WorkとVacationを組み合わせたワーケーションなる言葉も流行しつつあります。離島に限らずですが、ワーケーションは特に強力な観光資源がなくとも成立する地方創生の新しいビジネスです。
現状日本で使われる「ワーケーション」はWorkがメインであり、余暇時間にVacationを楽しむため、使用していない店舗や旅館に快適なWorkスペースを用意し、Vacationで名物とは言えないまでも地方独自の食事、文化や地元住民との交流ができれば、従来の旅行型の地方への訪問よりぐっとハードルが下がります。
旅行よりハードルは下がりますが、1人あたりの滞在時間が増えることから、短期の旅行では見えなかった地方の魅力を発見できる可能性も高まります。
離島経済新聞社
離島経済新聞社というところが有人離島専門メディア「ritokei」を発行しています。季刊のものもありますがフリーペーパーもあり、これがフリーペーパーとは思えないくらい内容が充実しています。すごいおもしろいです。冗談抜きで、離島経済に関わる人以外でも診断士は読んどけってオススメできるほど内容が充実しています。
離島以外で入手できるところがあまりないのですが、web版でも同じような内容が見れるため、興味のある方は一度見てみてください。アマゾンでも売っています。
さいごに
いずれある離島の地方創生をやりたいと思っていて、今は離島経済や地域創生について勉強しており、今回は備忘録的に書きました。いずれしっかり勉強してまとめたいと思います。
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