表題の本、先輩診断士２名の激推しがあったため気になって読んでみました。
中小企業の中でもごくごく小さな家族経営の「父ちゃん母ちゃん企業」に焦点をあて、父ちゃん母ちゃん企業の無限の伸び代について書かれている本です。
著者の立石さんが父ちゃん母ちゃん企業を立て直した経験から、父ちゃん母ちゃん企業の実態や今すぐできる立て直し策がリアルに書かれています。
在庫の見直しや原価率の低減、無駄な支出の低減等、中小企業診断士の勉強をしていた人であればふんわり概要が浮かぶ話ではありますが、実際の父ちゃん母ちゃん企業ではすんなりとできるわけではありません。ごくごく小規模な企業だからこその付き合いや、「見直す時間がない」という言い訳があり、得ることができるはずの利益を得ることができないという実態があります。
その中でも利益や給与、お金を増やす方法はあるということで、実践ベースの内容で興味深かったです。
個人的に一番おもしろかったのは売上高と利益額のランキングを作成して比較するという話です。これにより売上は多いのに儲かっていない事業・取引先、売上が少ないが利益を多くあげている事業・取引先がわかるというものです。本の上ではあくまで簡易的に売上と利益だけで比較していますが、利益率等も加えて比較することで、収益力のある事業・取引先が浮かび上がって来るため、どの事業・取引先に注力すべきか、利益が少ないのであれば売上が多くても縮小していくべきか、と判断できるわけです。
小規模事業であれば経営用語もカタカナのもの、やたらとITを駆使しているものはとっつきづらいものです。それでも売上と利益を比較するだけなら難しくないなと思いました。簡易的ですがとてもわかりやすい仕組みだと思いました。
自分は中小企業診断士ではありますが、中小企業といってもその規模は様々です。300人従業員がいる工場もあれば家族1人、2人で経営している企業もあると思います。実際に支援する対象は従業員がごくごく少ない企業が中心となると思います。これからそのような企業を支えていく上で、おすすめ通り読んでみてよかったなと思います。
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