財務・会計に頻出のアルファベット3文字の指標、PER、PBR、EPS、BPS。。。どれが何なのかわからない人も多いようです。これらは意味を丸暗記しても理解は進みませんが、何の単語が省略されているかを理解すれば理解が進みます。
アルファベット3文字だけでなく単語で覚える
PER:Price Earning Ratio 株価収益率
PBR:Price Book-value Ratio 株価純資産倍率
EPS:Earnings Per Share 一株あたり純利益
BPS:Book Per Share 一株あたり純資産
DPS:Dividend Per Share 一株あたり配当金
これらのアルファベット3文字、ぱっと日本語と計算式が出てきますか?すべてスラスラ出てくるのは株をやっている人くらいなのではと思います。私も結局ひとつひとつゆっくり思い出すしかありませんでした。
しかし、何の単語が省略されているのかを考えれば時間がかかっても思い出すことは可能です。
Price:価格、ここでは株価のこと
Earning:収益、ここでは当期純利益のこと
Book-valu:帳簿価格、ここでは純資産のこと
Dividend:配当
Ratio:比率
Share:株、株式
Per:~~あたり
ということは
PER:株価と純利益の比率 $\frac{時価総額}{純利益}$= $\frac{株価}{1株あたり純利益} $
PBR:株価と純資産の比率 $\frac{時価総額}{純資産}$= $\frac{株価}{1株あたり純資産} $
EPS:一株あたり純利益 $\frac{純利益}{発行株式数}$
BPS:一株あたり純資産 $\frac{純資産}{発行株式数}$
DPS:一株あたり配当 $\frac{配当総額}{発行株式数}$
と英単語からその意味を導きだせるのです。PERPER,,,,と暗記するよりこちらのほうが他の指標も合わせて覚えることができるのでトータルの理解が深まります。
例題
平成24年第20問設問1
今回はAの選択肢のみ答えます。
株価=一株あたり純利益✕A= $\frac{純利益}{発行株式数}$ ✕A
となるAを求めるわけですが
A= $\frac{株価}{一株あたり純利益}$
となるわけで、PERそのものなのですが、英単語の意味を理解していればPERと思い浮かばずとも、Bは総資本のことだから違うかな?とアタリをつけることができるわけです。
まとめ
今回は財務・会計の科目でよく出るアルファベットで略したものはどう理解すればいいのかを解説しました。英単語を覚えるなんて遠回りのように見えますが、丸暗記とは異なりど忘れしてしまっても他の単語等から類推することもできますし、これって倍率だっけ?パーセントだっけ?それとも金額?ということも単語の意味から思い出すことができます。
経営情報システムや運営管理でも同様なのですが、アルファベットだけの略称で覚えようとすると、どうしても似ている文字の並びばかりなので暗記は進みません。その時は略さない本来どういう単語で構成されているかを理解することが、回り道のようで確実に理解が進む道なのです。
全部の単語の意味を覚える必要もありません。例えばMTBFとMTTR、どちらが平均故障間隔でどちらが平均修復時間のことか一瞬で出てきますか?RがRepairなのだな、と覚えておけばMTTRのほうが復旧にかかる時間のことを表しているのだな、と思い出せるわけです。これは私がむかしむかしに情報処理技術者試験の時に覚えた方法です。
表面上のアルファベットだけで理解せず、その意味も考えてみてください。きっと理解が深まりますよ。
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