新型コロナウイルス感染症のため、インバウンド客を見込んでいる業界や、中国企業と取引のある企業を中心に大打撃を受けている状況です。そこで国を挙げての経済支援策が続々と打ち出されています。
経営相談、というほどではないのですがありがたいことに相談を受けることが増えてきました。当初の予定通りやっぱり実務補習は5日で終了、あと10日は実務従事にしようかなと思っているもので、当面はこの新型コロナウイルス対策がメインになるかと思います。
そこで自分自身の振り返りと今後に活かすため中小企業向けの施策をまとめてみました。一次受験生もちょっと使えるかもしれません。
セーフティネット保証とは
経営の安定に支障をきたしている中小企業が、市町村の認定を受けることで一般保証とは別枠で最大2億8000万円の保証を受けることができる制度です。経営の安定に支障をきたしているとは大型倒産の発生の影響や、災害等の影響、金融機関の破綻等がありますが、今回経済産業省が発動したのはセーフティネット保証4号とセーフティネット保証5号となります。
セーフティネット保証4号
セーフティネット保証4号は突発的災害に対応するもので、特定の地域を指定するものですが今回は47都道府県全てが指定されています。
対象中小企業
(イ)指定地域において1年間以上継続して事業を行っていること
(ロ)災害の発生に起因して、当該災害の影響を受けた後、原則として最近1ヶ月の売上高等が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2ヶ月を含む3ヶ月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。
内容
対象資金:経営安定資金
保証割合:100%保証
保証限度額:一般保証とは別枠で2億8000万円(有担保枠2億円、無担保枠8000万円)
※ただし保証枠については下記のセーフティネット保証5号と同じ枠になる。
セーフティネット保証5号
セーフティネット保証5号は、業況の悪化している業種に属する中小企業者の支援で152の業種が指定されておりましたが、新型コロナウイルスの影響により40の業種が指定されています。
企業認定基準
(イ)最近3ヶ月間の売上高等が前年同期の売上高等に比して5%以上減少していること。
(ロ)原油価格の上昇により、製品等に係る売上原価のうち20%以上を占める原油等の仕入れ価格が20%以上上昇しているにもかかわらず、物の販売又は役務の提供の価格(加工賃を含む。)の引上げが著しく困難であるため、最近3か月間の売上高に占める原油等の仕入れ価格の割合が、前年同期の売上高に占める原油等の仕入れ価格の割合を上回っていること。
内容
対象資金:経営安定資金
保証割合:80%保証
保証限度額:一般保証とは別枠で2億8000万円(有担保枠2億円、無担保枠8000万円)
※ただし保証枠については上記のセーフティネット保証4号と同じ枠になる。
セーフティネット保証の流れ
セーフティネット保証は、法人の場合は登記上の住所又は事業実体のある事業所の所在地、個人事業主の方は事業実体のある事業所の所在地の市町村(または特別区)の商工課等の窓口に認定申請書を提出します。認定を受けた後に希望の金融機関や信用保証協会に認定書持参の上保証付き融資を申し込むことが必要となります。
窓口は信用保証協会や金融機関ではなく、市区町村というところがポイントですね。
セーフティネット保証以外の補助金
セーフティネット保証以外にも、サプライチェーンの毀損や今後の事業継続性確保等に対応するための補助金もあります。
ものづくり補助金
中小企業・小規模事業者が実施する設備投資にかかる費用の一部を補助します。補助額は100万円~1000万円、補助率は中小企業が1/2、小規模事業者は2/3です。
持続化補助金
小規模事業者が取り組む販路開拓や生産性向上の取り組みを支援します。補助額は50万円まで、補助率は2/3です。
IT導入補助金
ITツールの導入による業務効率化を支援する補助金です。補助額は30万円~450万円、補助率は1/2です。
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース
新型コロナウイルス感染症対策として、テレワークを新規で導入する中小企業事業主向けの補助金で、試行的にテレワークを導入している事業主も対象となります。テレワーク用の通信機器の導入・運用や就業規則・労使協定の作成や変更の補助となります。補助額は上限100万円、補助率は1/2です。
PCやタブレット等の機器は対象外であるものの、カメラやマイク、通信機器の導入や職場環境の整備に使用できる補助金であり、個人的に注目しています。働き方が変わるきっかけとなればいいのですが。
ちなみに、東京都の事業継続緊急対策(テレワーク)助成金はなんと補助率が10/10!250万円まで満額補助ですよ。素晴らしいですね。
個人事業主、フリーランス向けの支援策
小学校等の休校措置により、保護者が仕事を休まざるを得なくなる状況が続いています。この場合、従業員に休暇を取得させた企業に対しては日額8330円の助成金を企業が受け取れます。労働者がもらえるわけではないですが休暇を取得しやすくなるための施策です。
個人事業主については何の保証もなかったのですが、休業補償について1日4100円の支給がどうやら決まりそうです(決まり次第更新していきます)。
国が働き方改革等で個人事業主やフリーランスという働き方を推奨する割にはこのような有事の際の保証は雇用者と比べるとかなり薄くなってしまいます。本当に困っているのは企業務めの方ではなく個人事業主です。もっと手厚い補助を期待したいです。
終わりに
コロナウイルス対策に関わる国や公的機関の支援の状況は刻一刻と対応が変わっております。最新の支援情報については必ず経済産業省や中小企業庁の最新情報を確認してください。
経済産業省 新型コロナウイルス感染症関連
https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
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