2020年の中小企業診断士試験一次試験の日程が発表されました。今年は東京オリンピックの影響で、毎年8月だった一次試験が7月に行われるとアナウンスされていましたが今年は7月11日と12日での実施となります。試験案内配布や申込み受付期間もいつもよりも早くなっておりますのでご注意ください。
さて本日は中小企業診断士の一次試験、科目免除をするかしないかについて書きたいと思います。たくさんのブログや記事等で科目免除について語られてきましたが、結果的に自分はどちらが良いのか?と思った人も多いのではないでしょうか。このブログまでたどり着いた人は情報収集に熱心な方が多いと思い、「科目免除とはなんぞや」ということを知りたい人はあまりいないと思いますが、科目免除をするかしないかでは苦慮されているのではないかと思います。「科目免除は使おう!」派(免除する派)と「科目免除はしないで全て受ける!」派(免除しない派)の情報を目にした結果、どうすればいいのかわからないのではないでしょうか。
結論から書きます。「それは人によるから科目免除する・しないのどちらが正解かは個人次第」、と身も蓋もない結論になります。ですが全員一律に全科目を免除する派と免除しない派で分類するのは大間違いです。 ではその理由と、じゃあ自分はどうすればいいのか?を書いていきます。科目免除に迷ったらこの記事を見て判断してください
科目免除とは
中小企業診断士の一次試験は7科目ありますが、他の資格を持っている等、認められた方は特定の科目を免除することができます。また、惜しくも総合では合格点に達していなくても、各科目で60点以上を獲得できた場合は科目合格となり、翌年と翌々年の一次試験では科目免除する権利が与えられます、科目免除はしなければいけないわけではなく、科目合格した翌年に科目合格した科目を受験することも可能です。このことが世の受験生を悩ませています。
免除する派の言い分
科目免除をすることのメリットは以下の通りです。
・科目免除をすればその分他の科目の学習に時間を割ける
・一度受かった科目を再度受験するのは時間の無駄
まさにごもっともな意見。科目免除を使用している人もほとんど同じ意見ではないでしょうか?
免除しない派の言い分
次は科目免除しないことのメリットです
・一度合格した科目なら、再度合格するため必要な労力は少ない
・科目の難易度には波があるから
2番めの理由が最大の理由でしょう。難易度の波とはどういうことか説明します。
科目合格率の大きな波
以下はここ5年の各科目の科目合格率の推移です。
令和元年 | 平成30年 | 平成29年 | 平成28年 | 平成27年 | |
経済学・経済政策 | 25.8% | 26.4% | 23.4% | 29.6% | 15.5% |
財務・会計 | 16.3% | 7.3% | 25.7% | 21.6% | 36.9% |
企業経営理論 | 10.8% | 7.1% | 9.0% | 29.6% | 16.7% |
運営管理 | 22.8% | 25.8% | 3.1% | 11.8% | 20.5% |
経営法務 | 10.1% | 5.1% | 8.4% | 6.3% | 11.4% |
経営情報システム | 26.6% | 22.9% | 26.6% | 8.5% | 6.4% |
中小企業経営・中小企業政策 | 5.6% | 23.0% | 10.9% | 12.5% | 12.2% |
ご覧のように、各科目の合格率は年度ごとによって大きな差があります。いつ難化しいつ易化するのかなど誰にも予想できません。複数年計画で受験科目を絞っている人でなければ、科目免除できなかった科目は一度不合格だった科目。その後の学習で理解を深め合格レベルまで達したとしても、難化した場合に合格点の60点を取れる保障はありません。平成30年の経営法務はあまりにも難しかたっため、全員に一律8点が加点されるという始末です。それでいて5.1%という低合格率でした。今後も試験が難しかったからといって加点があるかどうかの保証なんてありません。
そのため、科目数を絞っていた場合、思いもよらぬ難化により総合で6割の点を確保ができないという可能性があるのです。受験科目が多い場合は、特定の科目が難しくなった場合でも他の科目でカバーすることで全体で6割確保する、というのが免除しない派の言い分なわけです。でも、一度合格した科目をもう一回受験するのは面倒ですよね?その気持とてもわかります。次にまた60点取れる保障もないですしね。科目免除を有効に使う作戦を書いていきたいと思います。
科目免除して良い科目
経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策
迷わず免除して良い科目は経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の3科目、俗に暗記三兄弟と言われる科目です。経営科目に関しては合格率10%以下が続く難易度の高さ、情報についても一時期難化した時期があり、中小についても令和元年はかなり合格率が低くなりました。
これらの科目は二次試験に影響はなく、かつ過去の出題範囲の外からの出題については当日での対応がかなり困難なため、運良くこれらの科目免除ができるのなら迷わず免除でOKです。
ただし、弁護士等の法律関連の仕事をしている方は法務で、IT系の仕事をしていたり高度の情報処理技術者試験に合格している人は情報を、すでに中小企業支援の仕事をしている人は中小を、あまり勉強しなくても高得点を取れる場合があります。その際は過去問を見て受験するかどうかを判断すればいいと思いますが、上記の仕事をしていない全く関係ない方は免除一択です。
免除しないほうが良い科目
財務・会計だけは免除せず受験することをおすすめします。理由はいくつかありますが、
・ 二次試験とも関連の深い科目だから
・他の科目と比べると波は少なく大失点の可能性は少ない
等、です。個人的にも財務会計はやるだけ伸びる科目だと思っています。二次試験の対策を始めるとさらに安定して高得点を取れるのが財務会計の科目です。また二次試験未受験の方であっても避けては通れないのが財務・会計と事例Ⅳです。一次試験に合格するためではなく二次試験対策のためにも、財務・会計の学習は続けるべきです。そのため財務・会計は科目免除せず受験することをおすすめします。
条件付きで免除してもいい科目
その他の3科目は条件付きで免除してもいい科目です。どのような場合に免除しどのような場合は受験すべきかを説明します。
経済学・経済政策
二次試験とも関連がないため、苦手意識の高い方はまた60点取れる保障もないため免除してもいいでしょう。ただし、この科目の合格率は7科目の中では最も高値で安定しています。グラフや数学的な要素がとっつきづらいとはいえ、一度理解してしまえばこの科目のレベルであれば安定して高得点を取れるのもまた経済学・経済政策の科目です。そのため苦手意識もなく理解が進んでいる方であれば得点源としての受験をおすすめします。
企業経営理論
個人的には迷わず免除をおすすめします。合格率もこのところ低めで続いています。二次試験とも関連のある科目ですが、問題文自体がとてもわかりづらく、何を問われているのか理解できない問題がたまにあります。そのため知識としては持っていても正解できないというパターンがあります。二次試験と関連があるとはいっても出題範囲の全てが二次試験と関連があるわけではないので、この科目が好きな方であれば受験しても良いかとは思いますが、基本的には免除で良いと思います。
運営管理
この科目も二次試験と関連があります。個人的には受験したほうが良いと思います。平成29年を除いて高めの合格率となっている科目です。企業経営理論と比較しても、一度理解をすれば安定的に高得点を取りやすい科目と言えます。ですが、工場や店舗のイメージがつかめず苦しいと思う方もいらっしゃるかと思いますので、その場合は免除でいいでしょう。
私の場合
私の一度目の受験時は、情報の科目は他の資格合格により免除、経済と企業経営理論と中小が合格でした。そのため翌年は情報は引き続き免除、中小は迷わず免除、企業経営理論も免除しました。経済については上記で受験したほうが良いと書きましたが、正直あまり勉強しておらず合格点を取れたのもたまたまという実感があったので翌年は免除しました。財務会計、運営管理、経営法務の3科目でしたが、財務会計で貯金を作りトータルで合格しました。
最後に
科目免除を使うか使わないかは、その人個人の得手不得手や状況が様々ですが一概にはこうと決められないです。ですが、科目免除できるものはすべて免除した結果、1科目2科目のみの受験となり合格点に達しない、という人をたまに見かけます。リスクヘッジは重要ですが、7科目全部は受ける必要はないと思います。3科目~4科目あたりが良いのではないかと考えています。この記事を参考に、科目免除するかしないかを判断していただければと思います。
それでもわからない!という方がいらっしゃれば個別に相談に乗りますので気軽にお問い合わせください。
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